〜「しつけ」に行き詰まったときには気軽に相談してください〜
2015.05.15 Author:奈良県こども家庭課 乾 信一郎
奈良県こども家庭課の乾です。
私は心理学と児童福祉の専門家という立場で奈良県の児童虐待対策を担当しています。
また、これまでに子育て家庭や子どものさまざまな問題について、たくさんの親御さんの相談に応じてきました。
「虐待」と聞くと、親が子どもを虐めるひどい行為というイメージが先行して、他人事だと感じるかもしれませんが、実はそうではありません。
実際に相談に来られる親御さんのほとんどは、子どもに愛情を持っており、しっかり育ってほしいと願い、それぞれに一生懸命子育てをしています。
何かのきっかけで、どんな家庭にも、誰にでも起こりうる問題なんです。
私自身も3人の子どもの子育て中です。
子どもを育てて改めて感じたことがあります。
子どもは愛おしくて、一緒にいて楽しいこともたくさんあるけれど、やっぱり子育ては難しい
ときには子どもが憎たらしくなったり、イライラして子どもにきつく当たってしまうこともあります。
頭ではダメだとわかっていても、気持ちはなかなかそうはいきません
そして後で後悔することもままあります
先日、とある研修会で、「しつけ」とは子どもに愛情を伝える手段であるという話を聞きました。
子どもに望ましい行動を教えることが「しつけ」ですが、愛情ではなく親の苛立ちや怒りだけが伝わったとしたらどうでしょうか
親子がお互いに感情的になってしまったり、誤解をしてしまうといったことで、親の愛情が子どもに伝わらないと、親子関係がこじれて悪い方に悪い方に転がってしまうということがあります。
お互いに引くに引けなくなってしまうんです。
こういった悪循環が繰り返されると、場合によっては「虐待」になってしまうということもあります。
反対に、親の愛情がうまく子どもに伝わるとどうでしょうか。
親の愛情が子どもにうまく伝われば、子どもも行動で返してくれるものです。
そうすると親子関係が良くなります
親子間の愛情や信頼によって培われる安定した愛着関係は、子どもの脳の発達にも良い影響を与えるそうです。
また、大人になり社会に出たときに、豊かな人間関係を築くための礎となります。
この関係性は、親ならば誰でも子どもにプレゼントすることのできるものです。
この機会に皆さんの「しつけ」について振り返ってみてください
さて、本題に戻りますが、「しつけ」が上手くできない、ついつい感情的になってしまうといったことはよくあることですが、放っておくとこじらせてしまうことがあります。
「はずかしい」とか「ダメな親だと思われるんじゃないか」と考える必要はありません。
みんな子育てや「しつけ」のことで悩んでいます。
もし、「しつけ」に行き詰ったり、悩んだりしたときには、1人で抱え込まずに、下記のお住まいの市町村の相談窓口やこども家庭相談センターに相談してください。
私たちは皆さんが楽しく子育てをし、より良い親子関係を築くことを支えたいと願っています
ご相談はこちらまで
市町村こども相談窓口一覧 http://www.pref.nara.jp/25388.htm
中央こども家庭相談センター http://www.pref.nara.jp/1727.htm
高田こども家庭相談センター http://www.pref.nara.jp/12427.htm
Author:奈良県こども家庭課 乾 信一郎
奈良県職員こども家庭課勤務。
臨床心理士、社会福祉士。
柔和な表情で、どんな話でも聞いてくれる懐の深い、聞き上手な方です。
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